説教

2017年8月6日

あなたの御言葉は真実です
大坪章美牧師


ルカによる福音書 21 章 25〜33 節



預言者ナタンから神の言葉を聞いたダビデは、「主の前に座って言った」とあります。サムエル記7:19節では、「また、あなたは、この僕の家の遠い将来にかかわる御言葉まで賜りました。このようなことが、人間の定めとしてあり得ましょうか」と、祈っています。ダビデは、主なる神様が、ダビデ自身の耳を開いて、「あなたのために家を建てる。その家は、永遠に続く」と言われたことによって、「今、この祈りを捧げる勇気を得たのです」、と祈っています。

ダビデが祈った28節、「主なる神よ、あなたは神、あなたの御言葉は、真実です。あなたは、僕に、このような恵みの御言葉を賜りました」という祈りは、イスラエルが、“神の民”として「永遠に」定められたこと、同時に、ダビデの家が「永遠に」存続する、と言うことを通して、神の、聖なる御名を永遠に大いなるもの、にするのです。

この、ダビデの祈りから、千年余りも経った紀元30年のエルサレムで、使徒パウロの忠実な同労者であり、また医者でもありましたルカが、イエス様のお言葉を記しています。その時、イエス様は、エルサレム神殿にいる人々に、「先生、では、そのことは、いつ起こるのですか。また、そのことが起こるときには、どんな徴があるのですか」と尋ねられた後、弟子たちに、「エルサレムの運命」について話しておられました。ルカによる福音書21:20節です、「エルサレムが軍隊に囲まれるのを見たら、その滅亡が近づいたことを、悟りなさい」と、言われました。

そして、25節で、ルカは、世の終わりを確実に示す徴を、特殊資料によって明らかにします。今や、被造物全体が、無秩序の状態に陥ってしまうのです。これまでに述べました、ローマとの戦争によるエルサレムやユダヤの崩壊とは比べものにならない程の、宇宙規模の、大激変が起きることが語られています。

そしてこれによって、イエス様が、神殿に居た人々に尋ねられた問いへの答えが示されたのです。神殿に居た人は、「そのことが起こる時には、どんな徴があるのですか」と、尋ねました。この、「どんな徴」という問いの答えが、ここにあるのです。その、“徴”とは、イエス・キリストご自身なのです。イエス様は、全世界の前に「人の子」として現れる時、ご自身が、今や、始まろうとする“神の国”の“徴”となられるのです。

イエス様は、ここで、もうひとつの、“譬え”を話されました。29節です、「いちじくの木や、ほかの、すべての木を見なさい。葉が出始めると、それを見て、既に、夏の近づいたことが、おのずと分かる」と、仰いました。この譬え話は、弟子たちの期待を、あらゆる“不確実性”からも、また、あらゆる“焦り”からも、解き放つものでした。

これ以上、確かなものが、弟子達に必要でしょうか。「具体的に、そのことが、いつ、起こるのか」などは、弟子達には、必要ありません。何故ならば、弟子達は、イエス様の御言葉の中に、“時”や“日”などよりも、もっと大切で、確実なものを手にしているからです。

その“み言葉”とは、32節、「はっきり言っておく。すべてのことが起こるまでは、“この時代”は、決して滅びない」と仰られたことです。“この時代”とは、“イスラエルの民”のことです。イエス様が仰っているのは、「父なる神は、ご自分の民、イスラエルを見捨てられることは決して無いのだから、どんな裁きが起ころうとも、イスラエルの民は、その罪にもかかわらず、希望を持ち続けることが出来るのだ」ということなのです。もっとも大切なことは、「神様は、イスラエルの民を見捨てることはなさらない」ということです。そして、わたし達イエス・キリストを信じる者は、イスラエルに接ぎ木された新しいイスラエルの民なのです。

イエス様は仰いました。33節です。「天地は滅びるが、わたしの言葉は、決して、滅びない」と述べられました。この、イエス様のお言葉こそ、あの、ダビデが主に向かって祈った、サムエル記下の7:28節の言葉、「主なる神よ、あなたは神、あなたの御言葉は真実です」と、心から賛美した、神の御言葉なのです。





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